デモ走行を見ながら学ぶEV制御技術


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テクニカル・ワークショップ

  スケジュール
12:40 - 13:20 序 章(基調講演): 堀 洋一 教授 〔東京大学大学院〕
モータ/キャパシタ/ワイヤレスで描く未来のクルマ社会 
13:20 - 14:05 第1章: 吉田 裕明 氏 〔三菱自動車工業〕
EVの動力分散配置とV2X
14:15 - 15:00 第2章: 藤本 博志 准教授 〔東京大学大学院〕
安全性/快適性/航続距離を改善するEVの運動制御
15:00 - 15:45 第3章: 居村 岳広 助教 〔東京大学大学院〕
磁界共鳴による走行中ワイヤレス給電
16:00 - 17:30 特 別 章:
EVによるデモ走行&展示






序 章12:40 - 13:20
[40分]
基調講演:
モータ/キャパシタ/ワイヤレスで描く未来のクルマ社会


講師:堀 洋一教授
東京大学大学院


 EVは航続距離が短いという短所があるが,これを避ける方法がある.電力インフラから直接エネルギーを受給する方法だ.停車中の「ちょこちょこ充電」や,走行中の「だらだら充電」ができるようになれば,これまでとは別のEV社会を描くことができる.このとき電力を頻繁に出し入れするが,リチウム・イオン電池よりも数百万回の充放電に耐えられる「キャパシタ」が今後のキー技術として有望だ.
 また,電力インフラからの最後の数メートルを担う「ワイヤレス給電」の技術が重要になる.現状で50cm〜1m程度の距離を送受信コイル間効率95%程度でワイヤレス電力伝送できている.簡単な中継コイルを用いれば,その距離をさらに数mに伸ばすことができ,こうした技術が進化すれば走りながらの給電が可能になる.
 さらに,モータの優れた制御性を生かした「モーション制御」が当たり前になれば,航続距離が延ばせるだけでなく,安全性や乗り心地も大きく改善される.


●講師プロフィール
堀 洋一(ほり・よういち)
1978年東京大学工学部電気工学科卒業,1983年同大学院博士課程修了.助手, 講師,助教授を経て,2000年2月電気工学科教授.2002年10月東京大学生産技術研究所教授.
2008年4月より東京大学大学院新領域創成科学研究科教授.
1991年〜1992年,カリフォルニア大学バークレー校客員研究員.
専門は制御工学とその産業応用,とくに,モーションコントロール,メカトロニクス,電気自動車などの分野への応用研究.電気学会産業応用部門元部門長,自動車技術会技術担当理事,日本能率協会モータ技術シンポジウム委員長,キャパシタフォーラム会長,日本自動車研究所理事などを勤めている.
1993年および2001年, IEEE Trans. on Industrial Electronics 最優秀論文賞, 2000年電気学会論文賞, 2005年日本AEM学会著作賞,2010年産業応用部門貢献賞,2011年電気学会業績賞などを受賞.
IEEE(Fellow),電気学会(フェロー),自動車技術会,計測自動制御学会,システム制御情報学会,日本ロボット学会,日本機械学会,パワーエレクロトニクス学会などの会員.




第 1 章13:20 - 14:05
[45分]
EVの動力分散配置とV2X

講師:吉田 裕明
三菱自動車工業


 三菱自動車のi-MiEVを初めとするEVは,進化したリチウム・イオン電池とモータ技術を使い,新世代のEVとして生まれた.現在のEVはガソリン車の延長線上の車体技術を使い,ガソリン車と同じ移動体としての機能であるが,21世紀のEVを考えれば,開発の進んでいるインホイール・モータによる動力の分散配置により,次元の異なるクルマへと変化するであろう.また,最近では,EVに蓄えられている電力を,車以外の家庭や工場,電力網などに放電する技術が実用化されてきた.これらは,V2H(vehicle to home),V2F(vehicle to factory),V2G(vehicle to grid)とよばれ,これらの放電技術を総括してV2Xという.後半は,V2X技術が,EVをたんなる移動体から新しい機能の新商品に進化していることを示す.



●講演内容
1.動力の分散配置とインホイール・モータ
 1.1 インホイール・モータの構造
 1.2 車両運動制御上の長所と短所
 (1)ステアリングへの影響
 (2)アンチダイブ/アンチスクワット効果への影響
 (3)駆動系振動への影響
 (4)乗り心地への影響
2.EVを社会インフラにつなげる技術“V2X”
 1.1 電気自動車からの電力の取り出し
     MiEV-PowerBOX
 1.2 家庭につなげる−V2H
 1.3 工場につなげる−V2F
 1.4 スマートグリッド

●講師プロフィール
吉田 裕明(よしだ・ひろあき)
1953年11月生まれ,1978年3月 岐阜大学大学院 工学研究科卒.
同年4月 三菱自動車工業(株)入社、研究部配属.ECS(電子制御サスペンション),4WS(4輪操舵システム),マルチリンクサスペンションなどの開発に従事.
1990年12月 電子技術部 電子研究グループ.ABS,トラクション・コントロールなどの開発に従事.
1994年10月 電子技術部 EV開発グループ.EV,HEV,FCVの研究開発に従事.
2006年 4月 MiEV推進部 上級エキスパート,2007年9月 MiEV技術部 部長,電気自動車i-MiEVの開発に従事.
2009年10月から EV・パワートレインシステム技術部.

〔写真〕V2Xプロジェクト用M-tech Laboとi-MiEV



第 2 章14:15 - 15:00
[45分]
安全性/快適性/航続距離を改善するEVの運動制御

講師:藤本 博志准教授
東京大学大学院


 EVは,そのエネルギー効率と環境性能の高さが大きく注目を集め,電池性能の急速な発展により,各社から市販化が開始されている.さらに車両運動制御の観点からも,トルク応答が高速であること,発生トルクが正確に把握可能であること,各輪の独立駆動が可能となることなど,大きな魅力がある.
 本研究室では,EVの運動制御性能の研究を追及するために,前後輪に電動アクティブ・ステアリング機構を.4輪に大トルクのダイレクト・ドライブ・インホイール・モータを搭載した,完全オリジナルのEVを製作した.
 本講演では,この車両を用いたトラクション制御や車両姿勢制御,力行・回生トルクによる急制動時のピッチング制御,航続距離延長制御システムなど,本研究室で開発した各種の運動制御技術の説明を行い,開発制御法の利点を明らかにする.


●講演内容
1.オリジナルEV“FPEV2-Kanon”
 1.1 開発目的
 1.2 DDインホイール・モータとアクティブ前後輪操舵機構
 1.3 アンチスリップ制御と直接ヨー制御
2.回生制動トルクを用いた制動制御
 2.1 急制動時の安定化制御:スリップ率制御
 2.2 乗り心地改善:ピッチング制御
3.航続距離延長制御
 3.1 モータの効率特性に着目した前後輪配分制御
 3.2 コーナリング抵抗最小化制御

●講師プロフィール
藤本 博志(ふじもと・ひろし)
2001年東京大学大学院工学系研究科電気工学専攻博士課程修了.博士(工学).
同年長岡技術科学大学工学部電気系助手.
2002年〜2003年,米国Purdue 大学工学部機械工学科客員研究員.
2004年横浜国立大学大学院工学研究院講師.2005年同助教授,2007年同准教授.
2010年東京大学大学院准教授.
制御工学,モーションコントロール,マルチレート制御,ナノスケールサーボ,電気自動車の運動制御,モータとインバータの高性能制御,ビジュアルサーボに関する研究に従事.
2001年IEEE Trans. IE 最優秀論文賞, 2010年 Isao Takahashi Power Electronics Award, 2010年計測自動制御学会著述賞などを受賞.電気学会上級会員.計測自動制御学会,日本ロボット学会,自動車技術会,IEEE 各会員.

〔写真〕4輪ダイレクト・ドライブ・インホイール・モータ搭載EV



第 3 章15:00 - 15:45
[45分]
磁界共鳴による走行中ワイヤレス給電

講師:居村 岳広助教
東京大学大学院


 2007年に発表された新しいワイヤレス給電方式の磁界共鳴技術では,1mの距離を効率90%で電力を遅れることが示された.世界中を驚かせたこの発表から5年が経過し,その技術の基本的特性もおおよそ理解されつつある.ここでは,「磁界共鳴方式ワイヤレス給電技術の概要」と,実際にそれを実現する際に必要となる「インピーダンス・マッチング技術」と「中継コイル技術」について紹介する.


●講演内容
1.ワイヤレス給電と磁界共鳴
2.インピーダンス・マッチング
 2.2 インピーダンスマッチングによる効率改善
 2.3 一般的な自動追従整合
 2.4 チョッパによる自動追従整合
3.ワイヤレス給電と中継コイル
 3.1 中継コイルの基本性能
 3.2 中継コイルの結合の向きと相互インダクタンスのプラスとマイナス

●講師プロフィール
居村 岳広(いむら・たけひろ)
1980年8月生まれ.2005年3月上智大学理工学部電気電子工学科卒.
2007年3月 東京大学大学院工学系研究科電子工学専攻修士課程修了.
2010年3月 同大学大学院工学系研究科電気工学専攻博士後期課程卒.
2010年4月より同大学大学院新領域創成科学研究科 客員共同研究員.
2010年9月より同大学大学院新領域創成科学研究科 助教.
現在,電磁界共振結合,電磁共鳴を用いた電気自動車や電気機器へのワイヤレス電力伝送の研究に従事.
IEEE,電気学会,自動車学会,電子電気通信学会 各会員.

〔写真〕EVに載せたワイヤレス給電装置(左)と磁界共鳴による給電実験(右)



特 別 章16:00 - 17:30
[90分]
EVによるデモ走行&展示

協力:東京大学大学院「堀・藤本研究室」スタッフ

 東大・柏キャンパス内の「EV用実験走行路」でデモ走行し,また「EV用ガレージ」でデモ展示をご覧いただきます.受講される方々が各デモを近くで見られるように班分けし,それぞれ分散巡回していただきます.


■デモ展示 <キャンパス内,電気自動車用ガレージ>
 ◇ 急速充電 (COMS)
 ◇ ワイヤレス給電 (WiC-COMS)
 ◇ 駆動系をユニット化した研究開発プラットホーム (可変駆動方式型EV/Sawyer)

■デモ走行 <キャンパス内,電気自動車実験走行路>
 ◇ アンチスリップ/ヨー制御 (4駆インホイールEV/Kanon)
 ◇ 航続距離延長制御システム (4駆インホイールEV/Kanon)
 ◇ ワイヤレス給電/GPSを用いたレーン保持制御 (COMS)


〔写真〕今回登場するEVたち



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